乳頭がん その7 退院とこれから

入院最終夜に隣のアップルストアを記念撮影

退院前夜の夜景
退院前夜の夜景

この内容はあくまでいち患者の感想です。
お心あたりのある方はご自身で判断されず、必ず専門医の診察を受けてくださいね。

その7は退院までの数日とこれからについてです。

熱も下がり

入院5日目は月明けの8月1日(日)。
昨日までは微熱と頭痛やだるさが続いていましたが、今朝はだいぶ楽になりました。
朝イチ検温は37度を下回り、首回り以外、身体は普通の感覚です。

食事は朝食から普通食に戻りました。
そうそう、ここでは入院時にごはんかパンか選べまして、田舎育ちの私はごはんです。
前日は朝昼おかゆで夜はうどんと柔らかく、普通のごはんを食べると痛むかなと思っていたのですが問題なくいただけました。

もちろん喉を通るときは少し意識して「ごっくん」って感じで飲み込みます。
そのとき手術跡がつっぱるのは保護テープが貼ってあるのも影響しているのでしょう。
でもさほど痛いという感じなく、この日は3食とも美味しく完食できました。

予定では前日に点滴が終わり、この日に首のドレーンも抜け身軽になるはずでした。
しかし気管切開があったため、まだ管は両方とも付いたまま。
なのでこの日もベッドの上でゆっくり過ごしました。

サヨナラ管ちゃんたち

入院6日目は週明け月曜日の8月2日。
朝7時頃採血があり、その結果で今後の薬量が決まるのだそうです。
ここで待望の管取りがありました!

まず看護師さんが腕の点滴針を抜きます。
長く刺していると菌が入るおそれがあり「一旦」抜くんだそうです。
つまり、、、必要ならまた刺し直すってわけ^^;

くわばらくわばら。

採血後にしばらくして主治医の先生がいらしゃり、首のドレーン留めの糸を1本チョッキンな。
こちらも外れ、ようやく身軽になりました。
ちなみに傷跡を縫った糸は溶けるタイプで抜糸はないそうです。

もうね、管を気にしなくて良くなり気分もすっきりです、わーい。
管がつながっていることより、そのために動きが制約され、そこに気を使わないといけないことがストレスなのでした。

主治医の説明ふたたび

主治医の先生から、あらためて手術の経過説明がありました。
今度はしっかり聞こえます。

要約すると
1.甲状腺はきれいに取れた
2.声の神経(?)も問題ない
3.ガンが気管にわずかだけど食い込んでいたので気管切開して切除した
4.リンパ節郭清も行い、本来4つあった副甲状腺のうち2つは残した(戻した?)

ただ、
目に見えないほど小さい癌細胞が残っている可能性があり、放射線カプセルにより体の内部からそれらを攻撃する治療をした方が良いとのことでした。
アイソトープアブレーション(放射性ヨウ素内用療法)と言い、甲状腺全摘が標準の欧米ではセットの治療とWebで知りました。

通院でも可能だそうで、何よりこの先生がおっしゃるのだからその通りにするつもりです。
詳しくは今月末の退院後初受診時時にお聞きして後ほどお伝えしますね。

副甲状腺探しはクロダイ釣りに似て!?

また副甲状腺は甲状腺の裏側上下左右に米粒ほどの大きさで4個あり、体内のカルシウム濃度を調整する器官とのこと。
これ、手術で取った甲状腺とリンパ節の中から探し出して首に戻すのだそうです。

話は変わりますが、クロダイという魚がいます。
引きが強く美味しいので釣り人に大人気。
船釣りではコマセという撒き餌にイワシのミンチを使うことがあり、ベテランはこの中から米粒ほどの小さな黒い胆嚢?を探して針につけると釣れるんだと言います。

この話を思い出しちゃったもので、先生が副甲状腺を探してる姿が重なり、くすくす笑いを堪えるのが大変でした^^;
ちなみに、これは若手外科医さんのお仕事だそうです。

私のトレジャーハンターだった先生、どなたかは存じませんがありがとうございました!
きっとクロダイ釣りもお上手でしょう。

退院療養計画書

副甲状腺は2週間ほどで機能し始めるので、のちの血液検査結果次第でカルシウム剤は減らせるかもとのことです。
こうしたお話を聞いた後、1ヶ月後の次回来院予定日を決めたら退院療養計画書の説明を受けます。

ここには手術跡の黒ずみを防ぐため日焼けに注意すること、頸部の違和感や痛み等の改善には数ヶ月かかるなどが書かれています。
数年前の鎖骨手術の経験から違和感は気にし始めると際限なく気になるので、気にせず普通に過ごすのが一番良い対策と思います。
私の場合、日常の食事や運動に制限はなく、チラージンこそ毎日飲むものの今まで通りの生活が送れそうです。

退院療養計画書

予想だにしない話も出て

実は主治医の先生から、もう3点気になるお話がありました。
5.手術中に心電図の乱れがあった
6.食道に逆流性食道炎?の傾向がみられた
7.手術中、痰がよく出ていた
とのことで、専門医に診てもらった方が良いそうです。

心電図も食道炎もこれまで思い当たるふしは全くなく、痰なんてもう40年タバコ吸ってないのに不思議です。
でも甲状腺癌だってそんな感じで見つかったので、これも1ヶ月検診が終わったら受診してこようと思います。

この後、お願いしていた甲状腺ちゃんの画像をもらい、あらためて病巣と手術についてご説明いただきました。
素人質問にも丁寧に答えてくださるのは相変わらず。

うーん、なんだかハラミっぽくってうまそう!
たしかに原の身だから「原身」笑。

退院したらがっつり肉食べよう。

声帯に問題なし

では3日ぶりにシャワーを浴びて頭を洗い、最後の検査である経鼻内視鏡に備えましょう。
あ、入浴できない間は紙おしぼりを大きくしたようなペーパータオルで体が拭け、背中は看護師さんがお手伝いしてくださいました、感謝です。
そして経鼻内視鏡検査も異常なしで、声帯もちゃんと動いていました。
もう当初の掠れ声はほぼ解消されています。

ただ、自分としては声変わりしたような感じがありまして、一段低くなったように聞こえます。
声の響く位置が以前は頭の前部だったのが喉で響くのです。
まぁ周りは変わらないと言ってるので気分の問題かも。
声が出るだけで幸せです。

明日は退院

こうして明日は退院日の8月3日(火)です。
不思議なもので、空調完備、3食昼寝にメイドさん(失礼)付きの、快適な「アーバンリゾートホテル」暮らしが終わると思うと、退院の嬉しさより少し寂しい感じがしてきます。
それだけ快適に過ごせていたんですね。

そこで入院記念にと、休憩室から最終夜に撮ったのが当blogのTop画像で、病院の休憩室から見える隣の深夜のアップルストア表参道店です。
コロナ禍でも日中は賑わうこのお店ですが、今はさすがに誰もいません。
けっこうレアカットなり。

でも、電柱が余計だ!
都心のど真ん中なんだから早よ地中化されるといいですね(by 埼玉ケンミン)

そして退院当日の朝がきました。
主治医の先生がお見えになり、最後のお礼を申し上げました。
それから薬剤師さんが次回来院までの薬を持ってきてくださり説明を受けました。

最後に看護師さんから傷(創)の保護テープの貼り方指導がありました。
これ、400円くらいのテープと、ゼロがひとつ多いシリコン製の2種類が選べます(売店で購入)。

サージカルテープとシリコンプレート

右のテープはひと月くらい余裕で持つくらいの長さで、少し茶色がかっています。
私は日焼けしていたので首に貼るとあまり目立ちません。

一方のシリコンは薄い乳白色の2枚入りで、洗って繰り返し使えてUVカットにもなっています。
今後もテニスはするのでこちらも買いました。
ですが汗をかくと剥がれやすいそうで、そもそもまだ暑いのでまだ試せません。

また実際にこのシートをあててどのように見えるか、色味のチェックもしてくれました。
これも女性患者が多い病院ならではの気配りですね。

結局、看護師さんが言ってたとおり日焼け対策+テープで十分かも。
シリコンは後で買っても良かったかな。

それと入院パンフレットに出ている首リハビリの指導もありました。
首をぐるぐるしたり上下に動かしたりします。
これ、筋肉などが固まる前に始めないといけないそうで、遅くなると違和感が残る場合があるそうです。
でも無理せずゆっくりとね。

そういえばこの病院のやわらなか空気感って、あれ!?あそことおんなじだ!
パソコン・スマホ教室でお世話になっている、南浦和コミュニティカフェ「おひさま」です。
自分の技術系ブログTopにも登場いただいている「URW48(うらわフォーティーエイト笑)」のみなさんに会いたいなぁ。

手術直前、その画像をずっと見ていました。
もう一度この方達の前でお話しできる日が来ることを信じながら。

退院後は

こうして7泊8日に及んだ手術入院はまもなく終わりです。
熱はすっかり下がり、首の違和感もだいぶ減っています、よかった。

お世話になったベッド周りをきれいにしたら1Fの会計機に向かいます。
その前にエレベータ前のナースステーションにお礼の挨拶をしました。

本当に本当にお世話になりました、どうもありがとうございました。

会計は概算より少し低かったです。
なおレンタルセット代は別会計で、翌月半ば頃に請求書が届くそうです。

11時過ぎに病院を出ると表参道は真夏の日差しが待っていました。
地下鉄入口の向かいは見慣れたガラス張りのアップルストア。

退院したんだ。

これまでどちらかと言えば健康に不安は無く、身体も丈夫な方と思っていたのだけど、年齢とともにこの考え方や生活習慣を変えていくのも大切なんだなと思ったこのたびの手術入院でした。

次回検診は約1ヶ月後の8月26日(木)。
病理検査の結果で本当に乳頭癌なのか分かりますし、今後の治療についてのお話もあります。

さぁ埼玉に帰ろう。

その8に続く

乳頭がん その7 退院とこれから” に対して5件のコメントがあります。

  1. りこ より:

    はじめまして 私も原さんと同じく乳頭がん(片側)で今月末に入院、
    来月手術予定の49歳です(+橋本病)。
    時節柄、家族の付き添いはありませんし送りも迎えもありませんが、
    なんとかやっていこうと思います。

    術前外来で気管切開の話がありませんでしたが、
    ないってことは、予定通りの退院の可能性高いでしょうか?
    私はメタボ気味なので、回復が多少遅れるみたいですが、、、。

    もしよかったら教えていただけると幸いです!

    1. suraugi より:

      りこ様
      コメントありがとうございます。来月手術なんですね、さぞやご不安かとお察しいたします。
      私もコロナ真っ最中だったので、入院から退院までぼっちでした。
      全然問題ないので、その点はご安心を。

      また私は結果気管切開しましたが、退院は当初の予定どおりでした。
      ただ、シャワーを浴びるのが1日遅れただけですね。

      ですが、これはあくまで自分の場合で、りこ様がどうなのか、私には分かりかねます。
      ご心配なことは主治医、もしくは病院に遠慮なく確認されることをオススメします。
      きっと気持ちよく答えてくれるでしょうから。

  2. りこ より:

    ご返信ありがとうございます! 
    最近暑いため、病院に聞きに行くことを失念していました。
    事務的なことは病院に何度か電話で聞きましたが、
    病院までは微妙な距離のため、
    症状のことは、なんとなく躊躇しておりました。
    術前外来に付き添った身内(参考になるから伊藤病院の入院体験記を読むように、と言い張っている人物)にも話してみたところ、
    開けて見ないことには分からないってことなんじゃないの?
    と言われ、まあそうかなあと思いました。

    少し話す仕事なので、
    入院の日にラウンジで数分電話する
    ことがあるのですがと話したところ、
    困った顔をされたので、
    通話はなるべく手短にしようと思います。
    過去別の入院で別の病気で耳の遠い親(メールも使えない)との会話のため、待合室で、迷惑かけた不良入院患者ですが、もうその親もなくなり(それはそれで寂しさはありますが)、
    平穏な入院生活を期待しています。
    術後も今までと同じ程度声が出ればいいのですが。

    1. suraugi原 より:

      ご回復をお祈り申し上げます。
      きっと大丈夫。

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