乳頭がん その6 手術当日から数日間

この内容はあくまでいち患者の感想です。
お心あたりのある方はご自身で判断されず、必ず専門医の診察を受けてくださいね。

お待たせしました!その6は手術とその後の数日間の様子です。

手術前はなごやか

7月30日(金)の15時頃、点滴セットをごろごろ転がしながら看護師さんと6F手術室に向かいます。
手術室の扉は銀色の大きな左右開きになっています。
扉の向こうには主治医の先生のほか数名の看護師さんらが待っていました。

奥にある手術台はカーテンの向こうなので見えません。
手前の椅子に腰掛けながら、今晩のオリンピックサッカー女子なでしこジャパン準々決勝の話で談笑しつつ、名前や血液型など確認をします。

先生が「あら、試合開始に間に合わせないとね」とおっしゃるので、
「センセー、あわてないでお願いします」と返し、みんなでケラケラ笑いながら手術台へ。

念のため申し上げますと、手術直後はヘロヘロだからTVなんて見れっこないのはみんな分かっているのですが、こんなふうに患者の緊張をとってくれるのです。

手術台の周りには3、4名のスタッフさんが待機していて、ここのみなさんもニコニコしています。
この病院は本当にこれがとても素敵です。
また私自身、数年前に鎖骨の複雑骨折で手術を受け、全身麻酔は2度目なので手術室を見渡す余裕がありました。

きっと大丈夫。

「よろしくお願いします」と挨拶して手術台に横になります。
ここ狭いんですよ、病室のベッドの半分くらい。
落ちないように、後からベルトで固定するそうです。
また手術台は上半身が少し起きるようになっていて、首を軽く後ろにそらせて手術を待ちます。

「では麻酔薬入れますね、だいたい10秒くらいで眠りますよ」
「はい、分かりました」

と、次の瞬間意識を失くし、無の世界へ

 

 

気が付くと病室

「はらさーん、聞こえますか、手術終わりましたよ。今17時45分です」
遠くから先生の声がします。

無から、帰って、きました。

看護師さんがストレッチャーから私をベッドに移動してくださっているのが分かります。
まだ朦朧としている自分は、あぁ終わったんだなと思いました。
でも動く気力がありません。
かろうじて右手を上げ、合図したように記憶してます。

先生が手術の内容を説明してくれているのは分かりますが、その言葉は左から右へ通り抜けていきます。
ただ、「先ほど奥さんにも電話してお伝えしました」と聞こえたので
「ありがとうございました」とお伝えしました。

あ!かすれてるけど声出た!
心の中でやったー、声がでたーと叫んでました。

どうやら口には酸素マスクが付いているようです。
これって側から見るとシューシューしてるイメージですけど、実際はおだやかな流れでした。

ちょっと失敗だったのが、コロナのため院内はマスク着用なんですけど、用意していった不織布マスクが小さすぎ、その上から酸素マスクが装着されているため耳が痛くなっていたので取ってもらいました(まだ自分ではできない)。
入院時のマスクは大きめが無難です。

それから枕が自分には高すぎるので低いのに換えてもらい、こうしてふたたび眠りに入りました。

寝返りに苦労する

帰室後、3時間は安静で点滴は続いています。
両足のふくらはぎには血栓を防ぐためのマッサージャーがモゴモゴ動いていて気持ちがいいです。
どうやら手術中から付いていたようです。

左手には点滴の管が、喉には甲状腺のあったところに溜まる体液を抜く管(ドレーン)が延びていて首にたすき掛けした小さなポシェットの中の容器に溜まるようになっています。

首から延びる青い管がドレーン、黒い紐がポシェットのそれです。
レンタルパジャマにはポケットがなく、小さなポシェットは紐を首にたすき掛けしています。

首周りのドレーンとポシェットの紐

手術後に痛いのは傷口に負荷がかかったときで、2日ほど寝返りは難儀しました。
身体の位置を変えるとき、気を付けないとポシェットや点滴チューブが引っ張られて抜けてしまう恐れがあるため慎重に動かねばならず、これを痛まないようにやるのはひと苦労なんですよ。
これらが取れるまでは、ある意味入院生活で一番大変な時期でした。

手術後、はじめて水を口に

21時頃だったと思います、看護師さんが来て酸素マスクとマッサージャーを外してくれました。
後者はもうちょっと付けてて欲しかった笑。
そろそろ頭もスッキリし始めています。

まず首に負担のかからない起き方、寝返りの仕方を練習します。
私のベッドは左側が通路だったので、左手の肘から下をベッドに付けて身体を横向きにしたら両足をベッドサイドに下ろします。
それから「てこ」の要領で腕に力を入れ首に負担が掛からぬよう横向きのままそーっと身体を起こします。
寝返りも同様で、左右の肘から下を支点にしてゆっくりゆっくり身体を捻るのでした。

さて最初は看護師さんの手を借りながらも身体を起こしペットボトルから水を飲みました。
まだ下なんか向けないのでジャバラ付きのストローを使います。(これもレンタルセットに入っている)

しみたり痛いんじゃないかなぁと恐る恐る吸ってみると・・・
ありゃ!?想像してたほどの痛みではありません。
喉が動くと多少痛みますが、ゆっくり、少しづつだけど飲めます。

「あれ?むせませんね」と看護師さん。
気管切開をするとふつうはむせるんだそうです、早く言ってよー^^;

ん!?
き・か・ん・せ・っ・か・い?

そうだ、そういえばおぼろげながら先生がそんなことおっしゃってたような気が。

そこに夜の回診で別な先生が登場。
「痛みはないですか?」
「はい、大丈夫です」(まだかすれ声)
そして傷口を確認され「問題ないです」と戻られました。

「痛くないのは麻酔が効いてるからですよね」と看護師さんに聞くと
「いいえ、麻酔きれてます」とのこと。
「痛みに強いんですね」と褒められました、えへへ。

(ナイショだけど10年前受けた痔の手術の方が脳天に響き100倍は痛かった)

この後ベッドの上から家族に生還のLINEを入れました。
仕事の連絡も1件来ていたので返信します。
先方は手術直後とは気づくまい。

徐々に熱が出て

看護師さんが戻られた後、うとうとしているうちだんだん熱っぽくなり(37度なかば)、少し吐き気も感じて目が覚めました。
ここ10年ほど熱が出たことないので、微熱でもきついのです。

あらら、だんだん小さい方がしたくなってきましたよ。
まだ周りは真っ暗で物音ひとつしていません。
ガマンしてましたが限界!
周りの方に気を使いつつ、ナースコールで対処していただきました、ふー。

合わせて気分の悪さもお話しましたが、ひとまず朝まで様子を見ましょうとなりました。
そのうち長い、長ーい夜が明け、ようやく入院4日目の7月31日(土)の6時の起床タイムがやってきました。
まだ多少熱っぽいけど、吐き気も治まってきて、ずいぶん楽になっています。

甲状腺ホルモン剤飲み始め

この日は朝イチで採血です。
その結果で飲む薬が決まるのだそうですが、その前に頓服で痛み止めのロキソニンと胃の保護でムコスタを処方してもらい、早速飲んだらまた少し身体が楽になりました。
手術後は油断せず痛み止めをもらっておくと良いです。

そして血液検査の結果を踏まえて甲状腺ホルモン剤のチラージン2錠、副甲状腺機能補填剤のアルファカルシドール2錠、しびれ防止のカルシウム補てん剤ケンエー一服が処方されました。
なお、痛み止めはこの時一度飲んだだけ、退院時アルファカルシドールは1錠になりました。

チラージンとアルファカルシドール

甲状腺を全部取ったのでチラージンは一生飲み続けないといけないのですが、あの、これ、甘いんですよ!
ラムネ菓子をひとまわり小さくした感じで口に入れるとすぐ溶けます^^
また処方済み高血圧薬のアムロジピンと同じで毎朝1回だけ飲めばよく、両方とも飲み忘れても気づいたときにいつでも飲めば良いという、いわゆる「アバウト」なところもポイント高しです。

点滴はお小水の呼び水

余談ですが、点滴するとオシッコがやたら近くなり、朝まで3回ほどナースコールで看護師さんのお世話になりました。
うち2回は尿瓶。だから横開き紙パンツが必要だったんですね。
ちなみに頭痛いは気持ち悪いは寝返りキツいはで恥ずかしさゼロ。
本当にお世話になりました。

3回目は朝方で、なんとこの時には立ち上がれるようになっていて、看護師さんにトイレまで連れてっていただき、自分で用を足せるまでになっていました。
医学と人間のカラダってすごい!

最初の食事はおかゆから

そして1日半ぶり、待望の朝食です。<ー なんだかんだで腹は減る
メニューは術後食で、どんぶりフルサイズのおかゆにお吸い物とヨーグルト。

痛み止めを飲んでいたので美味しく完食できました。(実は入院中すべて完食v)
またケンエーは苦い粉薬で「ヨーグルトにまぜて食べるといいですよ」と聞いていたのでそのようにしました。(飲んだのはこれ1回きり)

なんだかどんどん回復していく気がします、いい感じ。
声もだいぶカスレが取れてきましたが、少し痰が絡む感じが残っています。
まだ喉に力をかけるのは怖いので、とりあえず様子見。

入院費の概算書が届くも限度額認定証のおかげでひと安心

入院費の概算ももらいました。
入院時に限度額認定証を提出していたので金額を見て正直ほっとしました。
加入している私的保険の「埼玉県民共済 医療・生命共済」の共済(保険)金でまかなえそうです。

なお入院費は月締めで、私の場合は7月分と8月分の合計となります。
保険については知っておくと役立つので後ほどまとめますね。(⇦リンク追加しました 20220416)

点滴が1日延びるもオリンピックでヒマつぶし

食後にベッドでうとうとしていると先生の回診です。(主治医の先生は次回月曜日)
まだ少し熱っぽいものの手術明けは発熱するのだそうでじき治るとのこと。
傷口もきれいで問題なしでした。
もちろん首は動かす角度によっては痛みますが。

本来であればこの日の午前中に点滴が終わるのですけど、私は気管切開しているのでもう1日継続とのことでした。
点滴が外れれば下半身シャワーを浴びられるようになるのだけれどしょうがないですね。

お!この土日は松山英樹さん登場のゴルフがあります。
いつもはゴルフ中継をほとんど見ないのですけど、入院中はだらだら見て最高にヒマつぶせます。
ただし、持ち込んだワンセグTVは画質が荒く、ゴルフボールはほとんど見えません^^;
なので、こういうときは綺麗に見えるスマホの出番です。

さてさて、ここ表参道は各競技会場から近いのですけど、無観客でもあり病院の周りは穏やかな時が流れています。
本当にオリンピックやっているのかなって、不思議な気持ちで放送を見ていました。

おぉ!松山君すごいなぁ、明日の最終日も一日応援だ!

ということで入院後半へ。

その7に続く

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